本日、行われた世界陸上ロンドン大会でラストランとなったウサインボルト選手に注目が集まっていました。
ボルトは今大会の100mで最後のレースであるということを表明し、最後のレースを
金メダルをとって有終の美で飾れるか?
という点に注目が集まっていました。
しかし、勝ったのは35歳のガトリン。
しかし、スタート前の選手紹介ではブーイング、1位のアナウンスの後も会場は大きなブーイングに包まれました。
ガトリンがブーイングの対象になっているのは、過去のガトリンの歴史にあります。
今回の記事では、その歴史について振り返っていきたいとおもいます。
Contents
世界陸上ロンドン決勝レースを振り返る
準決勝ではアメリカのコールマンに先着され2位という不安の残るレースとなりました。
そして、迎える決勝
その動画がコチラです!
https://youtu.be/NURJrRwds4E
スタートでは、コールマンが勢いよく飛び出し、ボルトは出遅れます。
しかし、中盤以降ボルトが追い上げて接戦!
コールマンかボルトか?
という接戦でしたが、勝ったのは8レーンにいたジャスティンガトリンでした。
手前のレーンでしたのでアングルの都合上、前にいるのがわかりにくいところから、一着に輝きました。
見ている私も、まさかガトリンが勝つとは思いませんでした。
前回の世界陸上北京大会ではボルトに100分の1秒と迫った、ガトリンでしたが今年は35歳。
シーズンベストも9.95と2年前からは0.2秒ほどタイムを落としています。
新星のコールマンが今季最高の9,82を出していることから今回の優勝は個人的には、コールマンかボルトか?
と予想しておりましたが、その2人を破っての金メダル。
長い間、ボルトに勝てなかった屈辱を最後の最後で晴らしました。
レース後には抱擁、お互いをたたえあいました。
今回勝ったジャスティンガトリン選手ですが、今回が初めての金メダルではありません。
2004年、2005年はオリンピック、世界陸上で優勝。
世界タイ記録を打ち立てた過去がありました。
しかし、彼は一度どん底に突き落とされます。
その過去を振り返っていきましょう。
ジャスティンガトリン、世界王者からの転落そして復活までの道のり
2004年 アテネオリンピック ジャスティンガトリンの名を世界にとどろかせる
当時22歳のジャスティンガトリンは、まだ注目度は低く、世界記録保持者であったモーリスグリーンなどが注目されたレースで、見事を優勝を果たし世界王者の座をつかみます。
2005年 世界陸上ヘルシンキ 100m200mの2冠
2005年のヘルシンキ大会では、100m200mの2冠を果たし短距離界の絶対王者となり今後の活躍が大いに期待されました。
2006年 世界タイ記録の樹立、世界記録保持者からのドーピングでの出場停止処分
2006年5月12日に当時の世界タイ記録となる9秒77を打ち立てます。
(上の画像では9.76となっていますが正式タイムは9秒77)
そして、世界記録保持者となった矢先にドーピング違反が確認され出場停止処分となります。
ガトリンは2001年にもドーピングが発覚しており、
2回目のドーピングは大きな処分を下すべきだと陸連は判断し、最長8年間の出場停止処分をくらいます。
当時24歳ですからそこから8年間の停止処分というのは実質的に選手生命を絶たれたといっても過言ではありません。
その当時、ガトリンはもう終わったと皆が思いました。
その後、出場停止処分が4年に軽減されますが、それでも彼の復活を誰もこの時は予想していませんでした。
2011年~2013年 世界陸上テグ、ロンドンオリンピック、世界陸上モスクワ
2010年に出場停止処分が終わり、2011年の世界陸上韓国テグ大会にて、6年ぶりに世界陸上に戻ってきます。
復活からまもないガトリンは準決勝で敗退し、当時の強さの面影はなくなっていました。
しかし、翌年の2012年にアテネオリンピックで打ち立てた9.85の自己ベストを上回る9.80を全米オリンピックトライアルを制し、全盛期と遜色のない力をもってロンドンオリンピックに臨みます。
そして、ロンドンオリンピックではボルトが優勝する陰で、ヘルシンキ依頼7年ぶりにメダルを手にし復活を果たします。
そして、翌年世界陸上モスクワ2013年ではさらに順位を上げ、銀メダル
を獲得します。ボルトの衰え、ガトリンの復活によりこれ以降の大会ではガトリンvsボルトという熱戦が繰り広げられました。
2015年 世界陸上ペキン ボルトが最も過酷だったと語る伝説のレース
この年2015年ガトリンは33歳にして自己ベストの9.74をマーク、さらに5度の9秒7台を出すというまさに絶好調。
対するボルトは怪我などの影響により、シーズン序盤から不調をにおわせます。
迎えた世界陸上決勝では、80m付近までガトリンが先行しますが、そこからの追い上げ最後はつんのめりになりながらゴールしタイムは
ボルト9秒79
ガトリン9秒80
という接戦となりました。
のちにボルトもお、このレースについて「最も過酷で困難なレースであった。」と語ります。
200mでも銀メダルを獲得し、「世界の2番手」としてボルトを苦しめ続けました。
2016年 リオオリンピック 34歳にして銀メダル
リオオリンピックでも、前年に続き9秒89で銀メダル。
しかし、前年100分の1秒差と比べると100分の8秒差でガトリン自身の衰えも感じられ、
「もうボルトを破ることはないか?」と思われました。
2017年 35歳についてついに12年ぶりの金メダル
2017年はシーズン序盤から負けレースが多くなり、なかなか9秒台を出せない状況が続きました。
35歳ですから、個人的には「決勝進出も難しくなるのでは?」と感じられましたが、全米選手権ではコールマンを倒し1位。
ロンドンでは予選では10秒06、準決勝では2着となりメダルも危ういか?
と思われましたが、最後の粘りでコールマン、ボルトをさし12年越しの金メダル獲得となりました。
ボルトを苦しめ続けた最大のライバルでしたが、最後の最後で世界チャンピオンに返り咲き金メダルに輝きました。
優勝後は、この表情でした。
個人的に、ボルトに勝てるのはガトリンしかいないということで北京以降、金メダル獲得の応援していました。
ジャスティンガトリンは日本好きで2020年東京五輪を見据えている
ガトリンは日本に対して非常に交友的です。
毎年、ゴールデングランプリで東京に音づれ今年も多田選手やケンブリッジ選手と走りました・
また、体育会TVなどの日本のバラエティー番組に何度も出演していることや
また日本のサニブラウン、多田などを絶賛しており日本好きなのではないかと思っています。
ガトリン自身は東京オリンピックまで続けると宣言していますので、東京でガトリンの姿が見られるかもしれません。
ガトリンが38歳になりますが、40歳で9.93の自己ベストを出したキムコリンズ選手がいます。
よって、38歳でも現在の力を維持させることは可能かと思いますので、東京オリンピックでのメダル候補となる可能性は高いでしょう。
引退するボルトに変わって短距離界を牽引していってほしいですね!