今回の事件では、今騒動となっているVAZのNextStageメンバーであるヒカル、禁断ボーイズいっくん、ラファエルの3人がVALUという個人の株のようなサービスを用いて3人合計1億近い利益を不当に近い方法で(しかし株ではないので法律違反とはならない?)手にしました。
このことについて、なぜ彼らは儲けることに成功したか、そしてどれくらいの金を今回の一件で手にすることができたかについて解説したいと思います。
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今回の騒動の発端、VALUとは?
valuとは、個人がVAというものを発行しそれを買ってもらうことで、夢を追いかける人を支援するというサービスです。
株式投資では投資先は会社ですが、valuでは個人となります。
株にも似た仕組みで個人がVAというものを発行し、それを買おうという人が現れるとビットコインで決済をして発行主=個人が一定のbit coinを手にします。
このvaluというものは、(株と同様に)
「ある人の1VAを100円で売りたい」という人がいたときに「100円で買います」という人がいたときに売買が成立するというものです。
ですから、買いたい人が増えれば、保有している人はより高い値段で売ろうとしますから売り手がその値段を上げていくことで必然的にvaluの売買価格は上がっていくのです。
(ちなみに、株では「100円で売りたい」という人がいて、「200円で買いたい」という人がいた場合は、100円で売買が成立しますが、valuの場合には全く同じ価格でのみ売買が成立します)
今回の騒動の流れ
1.8月10日頃、ヒカル、ラファエル、いっくん(禁断ボーイーズ)がvaluを開始
この時点で井川さんはヒカルのvaluを75VA所有していた。
2.それから数日、始めたばかりであり特に大きな値動きは見られなかった。
3.8月14日に3人は、twitterやvalu内でvaluを本格的に開始する発言をする。(現在は削除済み)
それによって、ヒカルらのファンや支援者は、ヒカルのvaluを買いたがります。買いたがる人が増えるわけですから、売買価格は上がっていきます。
4.翌日の15日、井川さんが所有していたYoutuberの全VAを売りに出します。これによって、井川さんは数百万の利益を得たとされています。
これが可能になったのは、「前日からのヒカルらの呼びかけによる一時的な値上がり」によって井川氏が自分が買った時よりも、高い価格で売ることができたからです。
5.そしてそれに続きヒカル、いっくんが前日の終値で全VAを、
ラファエルがその日の終値で全VAを売りに出しました。
これはどういうことを意味するでしょうか?
全部のVAを「今の価格で」売りに出すということは、「未来において彼らのVAが上がったとしても」彼らにはそれに関する利益はありません。つまり、VALUにおいて今後自分の価値を高めるような活動をするということは無意味になるということで、事実上彼らはVALU内での活動やアクションを起こすことはないという表明でもあります。
また自分が買っても、それ以上の価格で売ることは不可能です。なぜならば、自分が買った価格と同じ価格で残りの全ての株をヒカルが売りに出しておりまだそれが残っているからです。すべてのVAを一人で買うしかより高く売る方法はありません。しかしすべてを買うというのは10億近くが必要ですから実質的にヒカル氏のVAは投資目的で買った人には全くのはずれくじだったということです。
ですが、価値があると信じている一部の人を騙して短期的に、VALUを売ることで儲けることができます。
8/16、8/17にも取引はなされているようです。
ヒカル氏は8月15日の売りでは1VA、20000円程度で取引しています。そして、出来高(流通しているvaluの数)は3000以上です。
すべてを最終日の価格の1VA、20000円で売っているわけではありませんので単純に2万×3000が彼の儲けとはなりませんが、少なくともその半分の3000~4000万程度は彼一人で儲けている可能性が高いです。
こちらがヒカルのVAデータ(8/17時点)
ラファエルのデータ
いっくんのデータ
ヒカル3183、
ラファエル1591、
いっくん1199
という出来高から見て3人合わせて1億近くを売ったものと思われます。
※追記:実際のヒカルの発表では5645万円でした。
これが可能となったのは彼らがtwitterを用いて宣伝をしこれから価値が上がるかもしれないという「彼らのVAに価値がある錯覚」を起こさせることができたからです。これにより買いたい人が増え実際に売れていきます。しかし、実際には彼らは自分のVAの価値を上げていこうという気はさらさらなく、価値があると錯覚させられる間に稼げるだけ稼いでやろうという魂胆だったのです。
5万VA全部を売り切れば10億近い利益になりますが、それはもう価値がないと分かったものには手を出す人がいないですから不可能です。
それでも数日間の間に「外れくじ」をひかせて一時的に儲けることは可能だったのです。
3人とも1千万を超える利益を出しています。
- ヒカル氏3000万円相当
- ラファエル1000万~2000万
- いっくん1000万~2000万
- 協力者の井川も数百万の利益
が今回の騒動で彼らが手にした金額のおおよその目安です。
この利益の源泉は、
「これから価値が上がると信じた彼らのファン、フォロワーです」
彼らもいろいろと自分たちの利益を還元するキャンペーンや活動を多くしていますから(特にヒカル)今回のVAでの利益も何らかの形で還元にプレゼントなりに使われることでしょう。
追記
動きがありました。
ヒカル氏が今回の件で儲けた5465万円相当のビットコインで自社株買い=売った分を買い戻すと決断しました。
これによって、ヒカルらのVAは無価値とならずに済みました。
それでも、売買価格は下がっていますから損をした人が出てくるでしょう。
まとめ
今回の一見で有名Youtuberがインサイダー取引まがいのことをしたということは今後の彼らの評判に大きな支障となるでしょう。
彼らの所属するVAZの上場の可能性も大きくヘリ(絶望的?)、数千万の利益を代償にどのようなものを手放したか今後の彼らの動向をチェックすることで見守りましょう。